磁性めっき線を用いたフライバックトランス

 

1 研究目的

絶縁形コンバータの小型軽量化と高効率化の強い要求がある。これらの要求を満たすために,小型軽量化は高周波化により検討されている。トランスの改善では,鉄損と銅損の低減が課題となっており,鉄損はコアの材料特性の向上により低減されてきている。一方で,銅損の低減では,巻方の工夫などがされてきたが,近接効果によって生ずる交流抵抗の低減に着目した導線の構造は検討されていなかった。 そこで,銅損低減のためにトランスのコイルに磁性めっき線(MPW)を用いることを提案している

 

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図2 磁性めっき線(MPW)を用いた交流抵抗の低減(一次巻線,COW:銅線)
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図1 フライバックトランスの概観

                                                                                                                                                  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2 フライバックトランスの諸特性

1)     一次コイルの交流抵抗

銅線を用いたリッツ線(LCW): 0.25 W

MPWを用いたリッツ線(LMW): 0.21 W (16.0 %低減)

2)     一次コイルの漏れインダクタンス

LCWトランス: 0.224 mH

LMWトランス: 0.264 mH (17.9 %増加)

 

3 共振形コンバータへの検討

 LMWを用いたフライバックコンバータでは,交流抵抗は低減したが,漏れインダクタンスが増加した。すなわち,漏れインダクタンスの影響でLMWの効果が見えにくい。そこで,よりLMWの効果を引き出すために,共振形コンバータを用いることを検討している。

 

4 主な研究論文

1) 水野 勉,飯田 和剛,松下 和誉,山本 大輔,神谷 旭,小池 徳男,根橋 孝男,櫻田 昌之:磁性めっき線を用いたフライバックトランス,電気学会,マグネティックス研究会,MAG-09-7pp. 29-34, 2009.