磁性めっき線を用いた空心コイル

 

1 研究目的

空心コイルはIH調理器や非接触給電トランスに用いられている。電磁界共振結合を用いた非接触給電では数 MHzでの駆動が有望視されている。これらの応用分野では,効率を向上させるためにコイルの結合度の向上と損失の低減が課題となっている。損失低減のためには,コイルの交流抵抗を低減させる必要があり,リッツ線が使用されている。リッツ線は,表皮効果に起因する抵抗低減効果を有している。さらなる交流抵抗の低減のためには近接効果に起因する抵抗の抑制が必要である。そこで,リッツ線の素線に磁性めっき線(MPW)を用いることを提案している。

テキスト ボックス:  
      (a) 銅線 (COW)   (b) 磁性めっき線 (MPW)
図2 COWとMPWの構造 (unit: mm)

テキスト ボックス:  
図1 空心コイルの概観

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2 MPWの構造と特徴

1)     テキスト ボックス:  
図3 抵抗の実測値と計算値との比較
MPWは,COWの外周に磁性薄膜をめっきした構造

2)     交流抵抗増加の抑制

 

3 空心コイルの交流抵抗の理論式

1)     素線1本ごとを考慮できる

2)     抵抗を各成分ごとに計算できる

3)     周波数f = 100 kHzから1 MHzの範囲においてLCWLMWの抵抗の計算誤差は,それぞれ10 %22 %

4 磁性めっき線の有用性

1) 周波数1 MHzにおけるLCWLMWの抵抗はそれぞれ43.2 mW29.2 mWであり,32 %低減

 

 

5 主な研究論文

1) 水野 勉,神谷 旭,飯田 和剛,志村 祐介,山本 大輔,藤松 拓也,池田 千里,笹平 秀昭:磁性めっき線を用いた空心コイルの交流抵抗,第33 日本磁気学会学術講演概要集,14aF-9p. 373, 2009.