磁性めっき線を用いた磁界共振結合形非接触給電の効率

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図1 LMWとCOWを用いたコイル
(左:LMW,右:COW)

1 研究目的

非接触給電は,ICカードなどにすでに利用されており,また携帯電話や電気自動車への実用化が期待されている。非接触給電とは機械的な接点をもたずに非接触で電力を送電するシステムであり,電磁誘導方式,マイクロ波方式および電磁界共振結合方式がある。電磁界共振結合を用いた電力伝送において高効率で伝送を行うためには送受信に用いるコイルのQ値の向上が必要である。Q値特性の向上のために,表皮効果に起因する抵抗の低減効果を有するリッツ線を導線に用いることが提案されている。しかし,リッツ線を用いることで近接効果に起因する抵抗が増加してしまう。そこで,素線に磁性めっき線(MPW)を用いたリッツ線(LMW)を提案している。

 

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図2 コイルのインピーダンス-素線数特性
(f = 13.56 MHz)
 
図3 効率-周波数特性
(Pin = 0 dBm, l = 36 mm,)

2 MPWの構造と特徴

1)    MPWは,銅線(COW)の外周に磁性薄膜をめっきした構造

2)    近接効果に起因する交流抵抗増加の抑制

 

3 コイルのインピーダンス特性

1)    周波数13.56 MHzにおけるCOWLCW(素線数n = 15)LMW(n = 15)の抵抗は

それぞれ2.35 W2.35 W  1.61 Wであり,LMWを用いることで抵抗が低減

2)    周波数13.56 MHzにおけるCOWLCW(n = 15)LMW(n = 15)Q値は

それぞれ161104261であり,LMWを用いることでQ値が向上

 

4 磁界共振結合形非接触給電の効率特性

1)    伝送距離l = 36 mmにおけるCOWLMW(n = 15)コイルを用いた

伝達効率h21はそれぞれ66.7 %73.9 %となり,7.2 %向上

また,LMW(n = 4)とした場合でコイル軸方向長さを半分に小形化

2)    受信電力Po = 2 WにおいてCOWLMW(n = 15)の温度上昇は

それぞれ14 ℃と11 ℃となり,3 ℃温度上昇が低減した。

 

5 主な研究論文

1)     水野 勉,神谷 旭,山本 大輔,谷内 慎太郎:磁性めっき線を用いた磁界共振結合形非接触給電

の効率向上,電気学会,半導体電力変換研究会資料,SPC-11-54pp. 169-1742011.

2) T. Mizuno, S. Yachi, A. Kamiya, D. Yamamoto: Improvement in efficiency of wireless power transfer

of magnetic resonant coupling using manetoplated wire, IEEE. Trans. Magn, Vol. 47, No. 10 pp. 4445-4448, 2011