ステンレス鋼製ハウジングを有する

誘導形近接センサの検出距離拡大


1に検出部の磁束線分布を示した。同図(a)(b)は,それぞれ従来構造と提案構造の磁束線分布である。従来構造のハウジングは,非磁性のハウジングである。提案構造のハウジングは,検出面の中央部と側面部に磁性体領域,検出面の一部に非磁性体領域を配置した構造である。

従来構造において,中央磁極から発生した磁束はハウジング(非磁性)を一様に通過して検出体に作用して,コアの外側の磁極へともどる。一方,提案構造の磁束は検出面中央の磁性体領域端部から検出体に作用して,磁性体領域のねじ部を通ってコアへともどる。提案構造は,検出面中央に磁性体領域があることで,従来構造と比較して磁束を効率的に検出体へと誘導できる

また,提案構造のハウジングの側面のねじ部は磁性体領域であり,その磁性体領域によってコイルが造る磁束をシールドするために,ハウジングが取り付けられる金属板の材質(透磁率,抵抗率)や厚さに依存せずに,安定した検出距離Sが得られる。

四角形吹き出し: 検出距離が1.25倍に拡大テキスト ボックス:          
(a) Convention     (b) proposed     図2 出力電圧の変化率-距離特性
図1  磁束線分布 (fe = 40 kHz, s = 2 mm)         (fos = 40 kHz, Vo(∞) = 500 mV)

主な研究論文
1) 水野 勉,水口 貴博, 藤井 貴之,倉重 朱里,ステンレス鋼製ハウジングをもつ誘導形近接センサの検出距離拡大手法の提案,電気学会,マグネティクス研究会,MAG-09-215, pp.21-26, 2009.
2) 水野 勉,雨宮 永宜,前田 庸宏,ハートレー発振回路を用いたステンレス鋼製ハウジングを有する誘導形近接センサの検出距離拡大に関する実証,電気学会,マグネティクス/リニアドライブ合同研究会,MAG-12-7, LD-12-7, pp. 35-40, 2011.

2により,従来構造の検出部と提案構造の検出部の検出距離は,それぞれ,2.0 mm2.5 mmであり,検出距離が1.25に拡大した。