位置検出機能を有する非接触給電

 

1 研究目的

テキスト ボックス:  
図1 位置検出機能を有する非接触給電の構成

 
図2 距離検出機能を有する非接触給電の等価回路

 図3 距離検出機能を有する非接触給電の
伝送効率-距離特性
磁界共振結合形非接触給電は伝送距離が長く,位置ずれにも強いことから近年盛んに研究されており,また電気自動車や家電製品等の充電への実用化が期待されている。しかし,伝送距離の変化や位置ずれが生ずることで伝送効率の低下や漏れ磁束による人体への影響が懸念される。高効率での伝送の実現,給電可能位置の判別および移動体への給電のためには受電コイル位置情報を検出するために受電コイルの位置(あるいは距離)情報が必要である。よって,図1に示したような磁界共振結合を用いた非接触給電と位置センサを組み合わせた,位置検出機能を有する非接触給電を提案している。現在は,前段階である送電コイル,受電コイルそれぞれ1つずつの場合の検討を行っている。

 

2 システム構成

本構成は電力伝送と送受電コイル間の距離の検出を同時に行う。よって,距離検出用周波数fdと電力伝送用周波数fp2つの異なる電流を一対のコイルに重畳する。フィルタ回路14を挿入することで異なる周波数を重畳および分離する。フィルタ回路12fdにおいてコイルと共振して,fpにおいて高インピーダンスとなる。フィルタ回路3,4fdにおいて高インピーダンスとなり,fpにおいてコイルと共振する。送受電コイル間距離が変化すると距離検出用電源側の入力インピーダンスZidが変化するために,距離検出用内部インピーダンスZ0Zidとの分圧の法則に従い,距離に応じて距離検出用電圧Vdが変化する。よって,Vdに基づいて距離検出が可能となる。

 

3 距離検出

送受電コイルの外径do = 300 mm,距離検出周波数fd = 9.8 kHz,閾値0.2 mV/mmとした場合,電力伝送を行いながら送受電コイル間距離l = 100 mm (do/l = 1/3)まで検出可能である。

 

4 電力伝送

送受電コイルの外径do = 300 mm,電力伝送用周波数fp = 100 kHzから300 kHz,入力電力Pi = 50 Wとした場合,l = 10 mmから200 mmの範囲において伝送効率h80%以上であった。また,距離検出回路を挿入に起因する伝送効率の低下は,l = 200 mmにおいて最も大きくなり,その時の伝送効率の低下は2.7%であった。

 

5 主な研究論文

1)     西山 昌宏,上田 拓人,卜 穎剛 ,水野 勉:距離検出機能を有する磁界共振結合形非接触給電の検討,電気学会,リニアドライブ研究会資料,MAG-13-32LD-12-074pp. 25-302013.

2)     上田 拓人,西山 昌宏,田島 嘉,卜 穎剛,水野 勉:距離検出機能を有する非接触給電の検討,電気学会研究会資料,MAG-13-168pp.73-782013